縮図
2016年01月22日
Story:
文豪・徳田秋声の傑作小説の映画化で、幼くして身売りされた女性の激動の半生を通して、人身売買制度への抗議を描いたヒューマン・ドラマ。乙羽信子がブルーリボン女優主演賞を受賞。『村八分』に次ぐ近代映画協会の作品。『暴力』の監督吉村公三郎が製作を担当、『村八分』の絲屋寿雄と山田典吾、及び能登節雄等がこれに協力している。『原爆の子』の新藤兼人が脚色・監督にあたった。銀子は、東京の下町に住む貧しい靴直しの娘に生まれた。父・銀蔵はお人好しだが、甲斐性なしで暮しも立たず、銀子は年端もいかぬのに千葉の芸者置屋に売られて行った。辛い仕込の期間が終り、やがて彼女は「牡丹」という名で座敷へ出された。女癖の悪い置屋の親爺・磯貝に目をつけられ追いまわされるが、銀子には千葉医大の医師・栗栖という意中の人が出来た。磯貝は、恐い女房に死なれてからは銀子に対する態度が一層露骨になり、連日の如くに責め折檻をした。これを、父の銀蔵が救いに来るが・・・。
【キャスト】
乙羽信子、日高澄子、山村聡、宇野重吉、山内明、島田文子、殿山泰司、山田五十鈴、沢村貞子、菅井一郎、北林谷栄