浮草
2015年12月11日

Story: 志摩半島の西南端の小さな港町にやってきた旅役者の一座を中心に、親子の絆や女の嫉妬心を名匠・小津安二郎監督描いた文芸ドラマ。
志摩半島の西南端にある小さな港町。そこの相生座に何年ぶりかで嵐駒十郎一座がかかった。座長の駒十郎を筆頭に、すみ子、加代、吉之助など総勢十五人、知多半島一帯を廻って来た一座だ。駒十郎とすみ子の仲は一座の誰もが知っていた。だがこの土地には、駒十郎が三十代の頃に子供まで生ませたお芳が移り住んで、駒十郎を待っていた。その子・清は郵便局に勤めていた。お芳は清に、駒十郎は伯父だと言い聞かせていた。駒十郎は、清を相手に釣に出たり、将棋をさしたりした…。