不貞の季節
2014年10月12日
Story: 20年ばかり前の話。SM作家の黒崎は、取材と称して自室にモデルの女・京子を連れ込んでは、編集者・川田に緊縛させセックスを楽しんでいた。ある日、その様子を目撃した妻の静子が、黒崎との夜の交渉を絶つと言い出した。だが、実は彼女は川田と密通していたのだ。そのことを川田から聞き出した黒崎は、嫉妬に震えながらもふたりの淫らなセックスに創作意欲を掻き立てられてしまう。「興味があるなら言えばよかったんだッ、私が縛ってあげたのに!」それから暫くして小説のめどが立った日、黒崎は静子にこう言った。しかし、そんな夫に静子は冷たくも穏やかに言い放つ。「だめよ。あなたは川田のように上手に縛ることは出来ないでしょ? あなたは文章だけの、観念だけの男よ」 やがて、黒崎と静子に別れの時が来る。それから20年後、黒崎は発表を差し控えていた小説を世に送り出す。
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