典子は、今
2017年05月23日
Story:
サリドマイド禍を克服して、熊本市職員として働く辻典子さんの半生を本人の主演で描く、1981年公開のヒューマン・ドラマ。脚本、監督は、『ふたりのイーダ』の松山善三。昭和37年1月、松原典子は両腕が退化したサリドマイド児として誕生した。「人間には手と足が2本ずつあるのだと私がはじめて気がついたのは、5歳の時でした。」 高校卒業を間近に控えたある日、淡々と話す典子の言葉に、クラス全員は息をのんで聴き入っていた。両腕のない典子の小学校入学の壁は厚かった。知能も健康にも優れた典子が、両腕がないというだけの理由で入学を拒否された。典子の母はその時、狂ったように泣いた。「あの日から今日まで、私も母も泣いたことはありません。泣いたってどうにもならないことを知ったからです。」 最後に、碩台小学校の先生が、「この子に障害はない、手がなく不便なだけだ」と入学を許下してくれた。それ以来、典子は、残された足で何が出来るか挑み続けた・・・。
【キャスト】
辻典子、渡辺美佐子、樫山文枝、河原崎長一郎、長門裕之、三上寛